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2009-12

そして、肩こり

昨日は自宅のゴミ出し最終日、今日は事務所の最終日。

というわけで、ひたすら捨てる捨てる捨てる。

わたしの場合、ゴミの86%は「紙」である。

ライターにとって、「紙」は「神」に通じる(嘘)。

プリントアウトした資料。

編集者から送られてきた資料。

資料のコピー。

プリントアウトした原稿。

校正紙。

送り状(捨てろよ)。

新聞、雑誌の切り抜き。

カレンダーの裏紙(だから捨てろって)。

大小の紙袋(はー)。

大雑把と貧乏性が同居する、

「何がしたいねん」な自分を再確認した2009年の暮れであった。

そしてあとにはおなじみの肩こりが残った。

こりこり。

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大掃除の絶望

わたしは今、大掃除の最中に必ず陥る絶望を味わっている。

「これは収束に向かっているのだろうか」

何もかもが散らばった床。

何が必要で何が不要なのかを判断するのにも疲れた脳。

灰色の埃。

連発するくしゃみ。

ゴミ袋の数は増えているのだから、確実に収束に向かっているはずだ。

がんばれ、わたし。

同じ本が2冊(買ったのを忘れてまた買った)。

古い貯金通帳(貧困の記録)。

キャンディの包み紙(だらしなさの証)。

おもちゃみたいな昔の携帯(古い恋の記憶)。

ついに力尽き、30分寝込む。

ゴミ収集の最終日は29日。

闘いは続く。

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趣味は読書?

「趣味はなんですか?」と、たまに訊かれる。

「趣味・・趣味ですか・・・」と、いつも口ごもってしまう。

好きなのは、映画や舞台鑑賞、飲み歩き・食べ歩き、ちょっとした旅、

まち歩き、そして読書。

しかし、どれも「これが趣味です!」と胸を張って言えるほどのものでもない。

ぼんやりしているのも好きで、1日ぼんやりしていたって平気だ。

冬などとくに、朝の白い光がお昼すぎには蜂蜜色になり、

時間を追うごとに濃い色になっていくのを見ているだけで1日が過ぎてしまう。

太るはずである。

・・・そんなことはどうでもいい。

昨夜、『村長ありき』という本を読了した。

『We』という雑誌に載っていた書評を読んで、「ぜひ読みたい」と取り寄せた本だ。

読み終えるまで何度涙を流したかわからない。

この本については改めて書きたい。

『村長ありき』というタイトルで、思い出したのだ。

中学3年のわたしは、受験勉強から逃れたい一心で本を読みふけっていた。

毎日文庫本を1,2冊読んでいたのだから、勉強どころではない。

そのなかに三浦綾子の『道ありき』という本があった。

おぼろげな記憶だが、人を信じられず、自暴自棄になっていた彼女が

夫となる男性の献身的な愛情に支えられ、人として大切なことに目覚めていく・・・

というような話だったように思う。

その夫は、敬虔なクリスチャンだった。

当時のわたしは、これまたいたく感動して涙を流した。

(しかしクリスチャンになろうとはまったく思わなかった。

昔から神も仏も信じない不信心者だったようだ)

その直後にあった私立高校の入試の面接で、趣味の欄に「読書」と書いていたわたしに

「最近、感動した本は?」という質問が投げかけられた。

わたしは「待ってました」とばかりに、

『道ありき』という小説がいかにすばらしいかを滔々と語った。

面接官の教師たちは黙って聞いていた。

その学校がかなり厳格な仏教校だと思い出したのは帰宅後だった。

合格発表まで生きた心地がしなかった。

それだけの話である。

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しんぐるまざあずのクリスマス

昨日は「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・関西」のクリスマス会だった。

今年のスペシャルゲストは、劇団空組。

よちよち歩きの幼児から中学2年生まで、子どもたちは食い入るように

目の前で繰り広げられるお芝居に見入っていた。

スタッフのOさん扮するサンタ(これがまた信じられないほどよく似合う)と

劇団メンバー扮するトナカイの掛け合いコントも大好評。

子どもたちも、声を揃えてメンバーを呼んだり、

勝手にプレゼントを配ろうとするトナカイの行動を、大声でサンタに知らせようとしたり。

その表情が、もうかわいくてかわいくて。

ベッタリ関わる気力も体力ももうないけど、

全身で遊ぶ子どもたちがかわいくていとおしい。

クリスマスケーキもプレゼントも、多くの人からの温かい気持ち。

ビンゴゲームでは空組のメンバーも大盛り上がり。

みんながニコニコして帰っていく、とてもハートウォーミングなクリスマス会だった。

あたり前田の打ち上げはビアホールで。

生ビール生ビールレモンチューハイ生ビール生ビールジントニック。

べっぴん親子に言い寄るオヤジを肴に盛り上がった。

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キツネ色の犬

人生でやり残していることのひとつに

「犬を飼う」というのがある。

できれば、キツネ色の柴犬を飼いたい。

お尻は白くてもこもこしているやつ。

子どものころはいろんな動物を飼っていた。

金魚に始まり、やどかり(え?)、鈴虫(は?)、ハツカネズミ、

ミドリガメ、インコ。

みごとに小動物ばかりである。

転勤族で、両親ともに動物を飼った経験がなかったこともあり、

犬や猫を飼うのは許されなかった。

そのうえ、保育園時代に小憎らしいスピッツに追い回されたことがあり、

犬はずっと苦手な動物だった。

しかし数年前、知人の飼い犬に妙になつかれて以来、犬が気になる。

とくにキツネ色の柴犬が。

事務所の近くを歩いていると、ときどき、おじいさんと柴犬のペアに遭遇する。

初めて見かけたときは、きっと飼い始めて間もない時期だったのだろう。

お互いに歩くテンポがつかめないようで、ぎこちなく歩いていた。

おじいさんが乱暴にリードを引っ張るのが気になった。

数日前、久しぶりに見かけた。

犬は少し大きくなり、安定した足取りで歩いていた。

カリカリに痩せたおじいさんの少しおぼつかない足取りに合わせて、

おとなしく、でも堂々と歩いていた。

毛並みはとてもきれいだった。

仲良くしてるんやね。

少しうらやましかった。

今の家は、「動物の飼育厳禁」と契約書に書かれている。

そのうち、犬を飼える家を探そうかな。

今はよその柴犬で妄想を楽しもうか。

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オカン、破れる。

夜行性の娘は、朝と夜とでは顔が違う。

0時前から携帯で長電話、そして長風呂。

湯船に浸かりながら雑誌や文庫本を読むのは、完全にわたしの真似だ。

今月の格言「子どもは真似してほしくないことに限って正確に真似をする」

湯が冷めるというのに誰かと電話で話し始めた娘に

「はよ風呂入れ」「はよ寝ぇ」「そんな恰好してたら冷えるで」と

大阪のオカンらしくきめ細やかな気遣いをしてやっているのに、いっこうに気にする様子がない。

そこで先に寝る前に、オカンの底力を思い知らせてやろうと

娘の横で「プー」とおならをしてみた。

正直にいえば、「ブゥー」という音だった。

娘は目を見開き、「信じられへんっ」と叫んでげらげら笑い出した。

どうだ。

オカンをなめたらあかんぜよ。

しかし、次の瞬間、奈落の底に落とされたのはわたしだった。

「お母さんがおならしたー」と、娘が電話の相手に説明しているではないか。

「いらんこと言いなや!」と止めると、

「だって、”何、今の音! 大丈夫?”って言うねんもん」と。

大丈夫って・・・。

最近の携帯の性能は、わたしの想像をはるかに超えていた。

さらに悲劇が襲う。

「誰よ、まやちゃん? はるちゃん?」と、電話の相手を問うと、

「彼氏。わたし、彼氏できてん」と!

今、そんな報告をされても。

オカン、乾杯。

もとい、完敗。

そして、わたしは悄然と寝室に向かったのであった。

後日談。

「面白いお母さんやなって。家に遊びに来たいらしいよ」と娘に言われたが、

「しばらくは会えません」と丁重に辞退させていただいた。

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アメ村のバーで欲情を語る

先週土曜日は、ある仕事先の忘年会だった。

一次会はなごやかに盛り上がり、二次会はメンバー行きつけの

アメリカ村にあるバーへ。

女性ばかり7人で一枚板のテーブルを囲み、思い思いのお酒を飲みながら

語り合ったのは「欲情について」。

「生活をともにするパートナーとの間に欲情はあり得るのか」

「愛と欲情の違いは何か」

「そもそも欲情とは”せねばならぬもの”なのか」

合コンらしきグループが隣にいるのも構わず、語る語る。

ふだん欲情の「よ」の字も感じさせないTさんが熱く語る表情に、

「わたし、欲情について語るTさんに欲情するわ。わかる?」と

隣のMさん(20代)に耳打ちすると、

きりりとした目元をさらにきりりとさせながら

「わかりません! わかりたくもありません!」と言われてしまった。

若いって素敵。

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テルリストの憂鬱

高校時代から20代にかけて、かなり熱心なテルリストだった。

テルとは、宮本輝である。

『泥の河』『螢川』『道頓堀川』『青が散る』『幻の光』『錦繍』・・・

新作が待ち遠しかった。

が。

『オレンジの壺』あたりから、ちいさな違和感が残るようになった。

阪神淡路大震災直後に書いた『人間の幸福』が、決定的だった。

なんじゃ、こりゃ。

いや、気持ちはわかるけどさあ。

・・・説教くせーんだよっ。

いつだかの芥川賞の選評で、「最近の作家はタイトルが安易すぎ」と怒ってたけど、

凝りすぎて羊頭狗肉になってしまうのも切ないもんやで。

それでも、新刊が出るとつい手が出てしまう。

文庫になるまで待てない。図書館で借りるのはめんどくさい。

そして・・・「やっぱり」と敗北感をかみしめる。

テル、貧乏ライターを翻弄しないでよ。

しかし、またやってしまった。

西九条のガード下で思いがけずうまくて安い居酒屋をみつけ、

つい気が大きくなってしまったのだ(どんな理屈やねん)。

『骸骨ビルの庭』上下巻 3000円+税  読了。

うーーーーん。

今月の教訓:呑むなら(本屋に)寄るな。寄るなら呑むな。

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「人権情報ネットワーク ふらっと」

釜ヶ崎にあるココルームの活動を紹介する連載が始まりました。

月1回の更新で、全6回です。

第1回は、代表である詩人の上田假奈代さんです。

http://www.jinken.ne.jp/letter/cocoroom/index.html

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西成のお父さん

わたしには父と呼ぶ人が二人いた。

一人は実父で、もう一人は「西成のお父さん」だ。

実父とは44年のつきあいだが、西成のお父さんに出会ったのは9年前。

『人権情報ネットワーク ふらっと』での取材がきっかけだった。

西成のお父さんには精神障害のある息子さんがいる。

一時期は家にひきこもり、不安定な状態の時期もあった。

お父さんは息子さんがどう生きていけばいいのかを模索し続けていた。

あちこちに出かけて相談し、精神障害や福祉や運動について学び、

「親の会」やさまざまな運動に参加していた。

西成区の施設でおこなわれていた「親の会」の集まりを

取材させてもらったときに名刺を交換し、メールのやりとりをするようになった。

何度目かのメールの末尾に「西成のお父さんより」と書かれていたのが楽しくて、

わたしも「西成のお父さん」と呼ぶようになった。

いつの間にか、ちょっとした贈り物の交換も始まった。

バレンタインデーにチョコレートを送ると、ホワイトデーにお返しが届く。

6月の父の日に何かしら送ると、8月の私の誕生日にはお父さんからのお祝いが届いた。

西成のお父さんからの贈り物は、ビール券かデパートの商品券に決まっていた。

ビール券を同封しながら、パソコンで打った手紙には

「葉子さん、お酒を飲み過ぎないでね」と書かれていた。

わたしのホームページの日記を欠かさず読んでくれ、

わたしが西成で講演したときは、最前列に座ってテープレコーダーまで回していた。

一緒に誰かの講演会に出かけたときは、いつのまにか講演を聴くわたしを撮り、

あとでプリントした写真を送ってくれた。

「どないせえちゅうねん」と思ったけど、うれしかった。

実父はベタなところがまったくない人で、わたしたち親子にはずっと一定の距離があったから

こまめにわたしのことを気にかけてくれる西成のお父さんの存在は

頑なになりがちなわたしの心をずいぶん温めてくれた。

ここしばらく、お父さんからのメールや手紙の末尾には、

「いつかまた会えるかな」と書かれていることが多かった。

わたしは、「いつでも会える」と思っていた。

だから気安く「またお会いしましょう」と書いていた。

でも、もう二度と会えない。

先日、喪中葉書が届いた。

そこには西成のお父さんの名前が書かれていた。

6月末にお父さんは亡くなっていたのだった。

今年の父の日、プレゼントを迷っているうちに送りそびれてしまった。

何年も、前日のギリギリ発送でも何とか間に合わせてきたのに。

父の日は静かに過ぎて、二人の父からの音沙汰もなかった。

「バレンタインデーに挽回しよう」なんて考えていた。

甘えていた。

西成のお父さんに。

時間に。

わたしの父は、また一人になった。

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